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太陽光発電を検討するとき、デメリットを知っておくことは大切です。
ただ、「デメリットがある」という事実と「だから導入すべきでない」という判断の間には、条件・対策・価値観による大きな幅があります。
この記事では、住宅用太陽光発電のデメリットを5つに絞り、それぞれの内容・対策・前向きな見方を整理します。デメリットを一方的に並べるのではなく、「それを知った上でどう判断するか」という視点で読んでいただければ幸いです。
太陽光発電の全体像は「太陽光発電とは?費用・補助金・メリットをわかりやすく解説【2026年版】」も合わせてご覧ください。
太陽光発電のデメリット5つ
デメリット❶
屋根の条件によって発電量が大きく変わる
内容:
南向き・日当たりの良い屋根は発電量が多いが、北向き・周囲に影が多い立地では発電量が大幅に少なくなることがある。屋根の面積が小さい場合、搭載できる容量が限られる。
対策:
設置前に現地調査・発電量シミュレーション(屋根の方角・傾斜・周辺の影を考慮)を依頼する。複数の参考見積りで発電量の前提を比較する。
前向きな見方:
「設置できる」と「効果が出る」は別。事前のシミュレーションで、ご自宅の条件での発電量を把握できる。
デメリット❷
投資回収期間にばらつきがある
内容:
投資回収期間は、日照時間・支払っている電気料金・自治体の補助金などの条件によって変動します。
対策:
導入前に将来の居住計画と照合する。FIT初期投資支援スキームの活用・適正価格での購入で回収期間を短くする工夫もできる
前向きな見方:
太陽光発電は経済合理性だけでなく、停電対策・電気代上昇リスクへの備え・環境貢献という価値でも評価できる。「投資」ではなく「暮らしのインフラ」として捉えるご家庭も多い。
デメリット❸
停電時に使える電力に制限がある
内容:
自立運転モードで使える電力は100V・最大1.5kW程度(当社調べ)が目安。夜間・悪天候時は蓄電池なしでは使用不可。大型エアコン等使えない家電がある。
対策:
停電時に使いたい機器を事前に想定しておく。停電対策を重視するなら蓄電池との組み合わせを検討する。
前向きな見方:
昼間・晴天時の最低限の電力確保は確実にできる。蓄電池との組み合わせで夜間・悪天候時にも対応範囲が広がる。
デメリット❹
FIT売電単価が5年目以降に大きく低下する
内容:
FIT初期投資支援スキームにより5年目以降は売電価格が低下します。「売電で元を取る」設計では、後半の収支が楽観的になるシミュレーションに注意が必要。
対策:
5年目以降は売電よりも自家消費の最大化(蓄電池・エコキュートの活用など)が経済的に合理的。シミュレーションに5年目以降の単価変化が反映されているか確認する。
前向きな見方:
自家消費した電気は、買わずに済んだ電気。電力会社の料金単価(約40円/kWh)の節約になる。この価値はFIT単価に関係なく続く。
出典:経済産業省「FIT制度・FIP制度 買取価格・期間等」
出典:経済産業省 調達価格等算定委員会「令和7年度以降の調達価格等に関する意見」
デメリット❺
パワコン交換費用が10〜15年後に発生する
内容:
パワコンの寿命は10〜15年程度で、交換費用は約20〜35万円程。収支シミュレーションに含まれていない場合、投資回収期間が実態より短く見えるので注意。
対策:
参考見積りを受け取る際に、シミュレーションにパワコン交換費用が含まれているか確認する。
前向きな見方:
交換を前提に収支を設計しておけば想定内のコストになる。「知らなかった」という状況を避けるだけで後悔になりにくい。
※ 設置費用の目安は経済産業省 調達価格等算定委員会「令和7年度以降の調達価格等に関する意見」(全国平均1kWあたり約29万円)をもとに試算した参考値です。工事費・パワコン代を含む総額として一定の幅を持たせています。補助金は含みません。実際の費用は設置条件・メーカー・販売施工事業者により変動します。必ず参考見積りでご確認ください。
5つのデメリットのうち、④と⑤は「事前に確認するだけで防げる後悔」に属します。
シミュレーションに5年目以降の売電単価の変化とパワコン交換費用が含まれているかを確認するだけで、「知らなかった」という状況を避けられます。
「① 屋根の条件」も、現地調査と発電量シミュレーションで事前に把握できます。「設置できる」と「効果が出る」は別です。設置前にご自宅の条件での発電量を確認することが、導入判断の基礎になります。
「② 投資回収の時間」と「③ 停電時の制限」は、何を価値と見るかという視点が判断を変える部分です。後述します。
各デメリットの詳細
① 屋根の条件によって発電量が大きく変わる
屋根の方角・傾斜・周辺の影・有効面積は、発電量に直結します。南向き屋根を100%とすると、東・西向きは10〜15%程度少なくなる傾向*があります。北向きや周囲に建物や樹木の影が多い場合は、さらに大きく発電量が下がることがあります。
重要なのは「設置できるかどうか」と「設置して期待通りの効果が出るかどうか」を分けて考えることです。設置自体は多くの屋根でできますが、発電量が少ない条件では費用対効果が出にくくなります。
設置前に屋根の実条件を入力した発電量シミュレーションを確認することが、後悔を防ぐ最初のステップです。
*出典:太陽光発電協会(JPEA)「設置方位や設置角度の影響」
② 投資回収期間は設置条件によって幅がある
一般的な条件(4kW・自家消費率50%)での投資回収は13年前後が目安です。回収期間は地域ごとの日照時間や電気料金、自治体の補助金の有無といった実条件によってばらつきがあり、補助金が手厚い地域ほど短くなる傾向があります。
実際に、補助金が手厚い東京都などでは6〜7年程度で回収できるケースもあります。(当社調べ)
➡ 投資回収のシミュレーションは「太陽光発電の費用対効果」でパターン別に整理しています。
③ 停電時に使える電力に制限がある
太陽光発電は停電時に「自立運転モード」に切り替わり、昼間・晴天時に限り電力を使用できます。使える電力は100V・最大1.5kW程度が目安で、大型のエアコン・IHクッキングヒーター・電気給湯機などは使えない場合があります。夜間・悪天候時は蓄電池がなければ使用できません。
「太陽光発電があれば停電でも安心」という期待に対して、この制限は知っておく必要があります。一方で「昼間に最低限の電力を確保できる」という点は、停電時の備えとして確実な価値があります。停電対策を重視するなら、蓄電池との組み合わせで夜間や悪天候時にも対応できるようになります。
➡ 停電時の仕組みについては「太陽光発電の仕組み」で詳しく解説しています。
④ FIT売電単価が5年目以降に大きく低下する
FIT初期投資支援スキームにより、1〜4年目の売電単価は24円/kWhですが、5年目以降は8.3円/kWh(市場連動型の目安)に低下します。この変化を把握していないと、5年目以降の収支が計画と大きく異なる結果になることがあります。
対策はシンプルで、シミュレーションに5年目以降の売電単価変化が反映されているかを確認するだけです。5年目以降は「売電で収入を得る」より「自家消費で電気代を節約する(約40円/kWhの節約効果)」方が経済的に有利になります。この切り替えを意識しておくと、5年目以降の運用もスムーズに対応できます。
➡ 売電の仕組みと収入目安は「太陽光発電の売電|仕組み・単価・卒FIT後の選択肢まで」で整理しています。
⑤ パワコン交換費用が10〜15年後に発生する
パワーコンディショナ(パワコン)の寿命は10〜15年程度で、交換費用の目安は約20〜35万円です。このコストが収支シミュレーションに含まれていない場合、投資回収期間が実態より短く見える可能性があります。
参考見積りを受け取った際に「シミュレーションにパワコン交換費用が含まれているか」を確認するだけで、この後悔は防げます。含まれていなければ担当者に追記してもらうよう依頼してください。事前に把握しておけば「想定外の出費」にはなりません。
デメリットを踏まえた上で、前向きに検討できる状況
デメリットを整理した上で、「それでも前向きに検討できるかどうか」を確認します。
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前向きに検討できる状況 |
慎重に考えたい状況 |
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✓ 南向き、東・西向きの屋根があり、 |
△ 北向き・日当たりが悪い |
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✓ 長期的にその住宅に住み続ける見通しがある(②のリスクが小さい) |
△ 近い将来に引越し・建て替えの予定がある(②のリスクが大きい) |
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✓ 停電対策・電気代削減・環境貢献など、複合的な価値として評価している |
△ 「経済的に元が取れるか」だけで、判断しようとしている |
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✓ シミュレーションに、売電単価変化・パワコン交換費用が反映されている(④⑤を把握済み) |
△ シミュレーションの前提が不明(④⑤が把握できていない) |
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✓ 複数の施工事業者から参考見積りを取って比較できている |
△ 1社のみの参考見積りで |
左側(前向きに検討できる状況)に多く当てはまる場合、デメリットの多くを事前の確認と対策で管理できる可能性が高くなります。
右側(慎重に考えたい状況)に当てはまる項目がある場合は、その条件を解消できるかどうかを確認することが先決です。
➡ 慎重に考えたい条件の詳細は「太陽光発電 やめたほうがいい?慎重に考えたい条件と、よく聞かれる懸念への回答」もご覧ください。
デメリットの捉え方と対策
デメリットを正直に知った しっかり把握した上で、「それでも導入する価値があるか」を考えるための表 対比です。

デメリットと価値のどちらが大きいかは、ご家庭の状況・屋根の条件・居住計画・何を重視するかによって変わります。「デメリットがあるから導入しない」でも「デメリットは無視していい」でもなく、デメリットを把握した上で判断することが、後悔のない選択につながります。
➡ メリットと合わせた総合評価は「太陽光発電のメリット・デメリット」で整理しています。
「みんなのおうちに太陽光」共同購入という選択肢
デメリットを整理した上で「具体的に自分の家ではどうなるか確認したい」という方には、共同購入という選択肢があります。「みんなのおうちに太陽光」の共同購入事業では、事務局が財務状況・施工実績などの基準で審査した販売施工事業者が、設置場所の確認や施工を担います。地域の参加者がまとまって購入することで、個人よりもおトクな価格での導入が実現しやすくなっています。
参加登録は無料で、参考見積りを受け取った後もすぐに決める必要はありません。
出典・参考資料
経済産業省 調達価格等算定委員会「令和7年度以降の調達価格等に関する意見」 https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/110_01_00.pdf(83ページ参照)
経済産業省「FIT制度・FIP制度 買取価格・期間等」 https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_kakaku.html 太陽光発電協会(JPEA)「設置方位や設置角度の影響」
https://www.jpea.gr.jp/faq/590/