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近年、電気料金の高騰や環境意識の高まりを受け、太陽光発電システムを導入するご家庭が全国的に増えています。太陽光発電は「節電につながる」「災害時の備えになる」など多くのメリットがありますが、導入を検討する際に「まわりの家に迷惑をかけないか心配」という不安を抱える方も少なくありません。
懸念のひとつに、「まぶしさ」による近隣トラブルがあります。この「光害(ひかりがい)」を解決するために開発されたのが、眩しくない太陽光パネル、防眩(ぼうげん)仕様の太陽光パネルです。
防眩パネルとは?光の反射を抑える仕組みと性能
防眩パネルは、設置方位や周囲の環境によっては近隣の建物に強く反射し、住民にとってまぶしさ(光害)を引き起こすという、従来の太陽光パネルの課題に対処するために登場しました。
一般的な太陽光パネルは、ガラス表面にAR(Anti Reflection:反射防止)コートと呼ばれる膜が施されていますが、これだけでは反射光を十分に低減できません。さらに、ARコートは経年劣化により反射光低減効果が減少する可能性もあります。
これに対し、防眩仕様パネルでは、AG加工(Anti Glare:アンチグレア加工)と呼ばれる特殊な技術を採用しています。AG加工は、ガラス表面に高密度な凹凸を物理的に作り出す加工です。
この凹凸構造が、入射した太陽光を特定の方向ではなく、さまざまな方向へ散乱(分散)させることで、眩しさを抑えます。
また、この防眩効果は、物理的な構造によるものであるため、半永久的に得られるとされています。
光害が発生しやすい条件とは?
太陽光パネルの反射光が問題となる主な要因は、太陽光の入射角に関係しています。太陽の高度が低い朝夕や、北向きに設置されたパネルでは入射角が大きくなりやすく、反射光が問題になる可能性が高くなります。また、住宅密集地では隣家との距離が近いため、反射光が直接窓に入り込みやすく、生活に支障をきたすトラブルに発展しやすい傾向があります。
防眩パネル導入の大きなメリット
防眩パネルの導入は、反射光の課題をクリアし、これまで導入を諦めていた方々に新たな解決策を提供します。
設置検討が可能になる場所
- 住宅の北面屋根: 従来、反射光の問題で設置が難しかった住宅の北面屋根への設置が検討可能となります。
- 住宅密集地内の物件: 近隣への配慮がより一層必要な住宅密集地内にある物件への設置が検討できます。
搭載容量の増加
北面の屋根など、通常仕様のパネルでは反射光が懸念される位置に防眩仕様のパネルを設置した場合、太陽光パネルの搭載容量を増やすことができます。
特に、南北方向の切妻屋根や南北の屋根が大きい寄棟屋根では、搭載容量の増加が見込めます。また、住宅向けパネルは小型であるため、限られたスペースの屋根にも効率的に設置して搭載容量を増やせるため、太陽光発電システムの導入を諦めていた方にも適しています。
まとめ:安心・快適な太陽光発電のために
防眩太陽光パネルは、これまで近隣への配慮を理由に導入を迷っていた方や、北面など設置を諦めていた場所への導入を可能にする、現代の住宅環境に合った重要な技術革新です。
防眩パネルを選ぶ際は、追加費用を「近隣トラブルを回避するための安心への投資」と捉え、シミュレーションを活用して反射光リスクを事前に把握すること、そして、屋根の状況や電力の使用状況を踏まえて最適な設置を判断するために、経験豊富な施工事業者に相談し、ご自身に最適なプランを選定することが、安心で快適な太陽光発電のある暮らしを実現する鍵となります。
共同購入事業では、財務状況や施工実績などの審査を通過した事業者のみが行う入札を通じて、施工事業者が選定されます。ぜひお住まいの地域の事業へ参加登録をし、「みんなのおうちに太陽光」を通じて、信頼できる施工事業者との相談の機会を得てください。